比例制御

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比例制御

比例制御。この言葉はよく耳にすると思いますが、
実際に機械はどんなことをしているのでしょうか?

厨房機器では、この比例制御は温度制御のために
使われることが、ほとんどです。
主には、オーバーシュートを防ぐためです。
オーバーシュートとは、設定した温度になって、
機械が出力を止めてから加熱される温度のことです。
例えば、170℃設定のガスフライヤーの場合、
170℃ちょうどでメインバーナーの火が消えても、
ヒートパイプなどの余熱で数℃油温は上昇してしまいます。
この、オーバーシュートを少なくするためには、
何をすればいいか?
例えば、サーモスタットのデファレンシャルを小さくします。
170℃で消火、169℃で点火させてやれば、
初期の加熱時や大量の食品投入時以外は、
オーバーシュートが少なくなりそうです。

でも、実際にそのような制御をさせたとすると、
フライヤーの点火・消火が何度も繰り返されることになります。
ハイカロリーバーナーを使用している場合などには、
消火時の音も気になるでしょうし、
フラッシュバックの起きる可能性も大きくなります。

通常のガス器具の温度制御のディファレンシャルは、
ONーOFF制御の場合は、約5℃です。
これくらいでないと、器具を傷めることにもなりかねません。

リーク式
ガスフライヤーで、最初によく使われた比例制御の方式は、
リーク式と呼ばれるものです。
商用電源が必要ないため、現在も一部の機種で使われています。
代表的なのは、サミーのフライヤーでしょうか。
リーク式の制御は、ON-OFF式のサーモスタットより、
可動部分の長いベローズが使われています。
この長めのベローズは、設定温度に近づいてくると、
少しづつベローズがガス経路のバルブを絞ります。
例えば、170℃設定の場合でしたら、160℃付近から、
徐々にバルブが絞られて、170℃付近になる頃には、
メインバーナーの火は消えない程度に絞られていますので、
オーバーシュートが少なくなります。
この方式を使った機種の多くは、種火は最初にメインバーナーに
点火するためだけに使って、その後はメインバーナーの火力のみで
温度制御をするようになっていました。
ただし、近年では立消え時の安全装置の取り付けが
必要になってきたため、種火を併用する機種もあります。

参考
リーク式サーモスタット

比例弁式
ガス器具の比例制御の、もうひとつの方式です。
これは、商用電源が必要となる方式ですが、
最近では、多くつかわれています。
通常の電磁弁は、ON-OFFの制御ですが、
比例弁と呼ばれる電磁弁は、
電磁弁に送る電圧を変化させることで、
弁の開度を調整することができます。
フライヤーなどでは、あまり使われていませんが、
火力調整用として立体炊飯器などでは、よく使われます。
コンベクションオーブンでも、使われている場合があります。
比例制御に使われる比例弁は、ほとんどが
直流の電磁弁です。
基板上で整流された直流電圧で制御している場合が
ほとんどです。
タイム技研の比例弁をよく見かけます。

タイム技研

ホームページを見ると見たことのあるようなものが、
いっぱいあるのではないでしょうか?
比例弁を使っている場合には、比例弁とガバナが一緒になっている
ものが多くあります。

直流の電磁弁を利用している機種で弁の手前に
整流器を使っているものがあります。
この場合は、かかる電圧は一定なので、
比例弁としての使い方はしていないことがほとんどです。

その他
ガス器具で、他に比例的な制御をやろうとすると、
加熱を断続的にさせる方法があります。
例えば、170℃設定の場合でしたら、
160℃を超えた時点で、10秒燃焼させて、20秒消火させる、
これを繰り返しながら、170℃で消火させてやれば、
比例的な制御になります。
これも、ICでの制御、連続スパークでの点火が必要となるため、
商用電源の必要な方式です。
国内の機械では、あまり使われていない方式です。

また、メインバーナーの燃焼経路を2つにして、
設定温度が近づいてくれば、2つのうちの、
一方のみを燃焼させる方法もあります。
この方式も外国製の製品で見かけることがあります。



ガス器具の場合は、以上の方法が比例制御で使われています。
国内の機械の場合は、比例弁が使われることが多く、
この比例弁に関るメンテナンスには、
細かな数値の測れるマノメーターと、直流電圧の測れる、
デジタルテスターが必要となってきます。
また、それぞれの制御時のデーターも必要となるため、
調整できる人も限定されてきてしまいます。



電気式制御の場合。

電気式制御の場合も、比例制御はあります。
ガス式とは違って加熱にはヒーターが使われます。
ガス式よりは、ディファレンシャルを小さくすることができるため、
比例制御させなくても、オーバーシュートを、
少なめにおさえることは可能ですが、
あまりにディファレンシャルを少なくすると、
リレーや、マグネットスイッチへの負荷が大きくなってしまいます。
また、マグネットスイッチを使用している機種の場合は、
動作音も大きいため、頻繁なON-OFFは、
現実的ではありません。

SSR
ソリッドステートリレー。
半導体のリレーです。
接点がないため接点の寿命はありません。
しかも、このSSRの偉いところは、
ガスの比例弁と同じように、
信号として流す直流電圧によって、
負荷に流す電流を制御できるところです。
例えば、170℃設定のフライヤーの場合でしたら、
160℃で、出力を80%におさえて、
165℃で、出力を60%にする、
167℃で、出力を50%にするようなことが
簡単にできてしまいます。
また、ゆで麺器などでは、温度制御用というより、
火力調整用としてもSSRが使われています。

サニクックゆで麺器125532457825

写真は、サニクックのゆで麺器ですが、
SSRを使って火力調整をしています。
また、ベーカリーオーブンなどでは、
昔から火力調整用としてSSRが多く使われていました。

参考
SSR

SSRは、接点の寿命がない、(接点がない)
動作音が、ほとんどしない。などの利点はありますが、
なんと言っても熱に弱いのが欠点です。
また、壊れた場合には、電流を流しっぱなしになることも多く、
補助的に使う場合以外は、もうひとつ安全装置があったほうが
安心できます。

その他
電気制御の場合にも、ガス器具と同じように、
その他の比例的制御も可能です。
例えば、設定温度に近づいてからは、
断続的にヒーターに通電させることや、
ヒーターを何本かに分けておいて、
設定温度に近づくと、片側には通電しないなどの制御です。
ただし、この制御の場合は、ヒーターの数に合わせた、
マグネットスイッチや、リレーが必要となるため、
比較的、割高な機械となってしまいます。


オーバーシュートを少なくするという意味や、
加熱する対象をいためないという意味で言えば、
ヒーターや、ヒートパイプ自体の温度についても
本来は考える必要があるのでしょうが、
コストがかかりすぎる面もあり難しいようです。



冷蔵庫類の場合。
冷やす場合も、庫内の温度を一定に保つことは、
大切なことです。
ただし、冷凍機を使っている限り、
頻繁なON-OFFは、機械の寿命を大幅に縮めてしまいます。
最近では、インバーターを使った制御も出てきているようです。
古くからあった方法としては、恒温高湿庫のような、
間接冷媒を使う方式が、庫内温度を一定に保つ方法です。

参考
恒温高湿庫



近頃は、半導体を使った制御が増えてきたために、
修理の場合の原因追求も難しくなってきました。
修理に行っても症状が再現しない場合も多いものです。
このような機種を修理する場合には、
どのような状態の時に不具合が出たか、
使用している方の証言がたよりになる場合もよくあります。
いつもと違う症状になりはじめた時は、機械を
よく見てやってください。


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この記事は、一般的な例に基づいて記述していますが、
個々の機械に関するものではありません。
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