SSRの診断

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SSR の診断

厨房機器も、最近は ICによる制御が増えてきたため、
出力の制御に、SSR (ソリッドステートリレー)が使われることが
多くなってきました。
SSR自体の価格も下がってきているため、今後も多く使われると思われます。
厨房機器で、よく使われる例としては加熱用ヒーターの回路で、
片切りのリレーとして使われています。
単相の電動機の片切りのリレーとして使われる例も稀にあります。

《参考》
基礎的電気回路

今回のページで使われる用語や回路に関しては、上記のページも
確認してみてください。

SSRが使われる、ヒーターの回路は単相のものが多くあります。
三相のヒーターでも使われますが、ヒーターの場合は、
モーターと違って、それぞれの相で制御もできるため、
結果的には単相として制御される場合がほとんどです。

ssr01

SSRの一般的なつなぎ方です。
負荷は、仮にヒーターとします。
Load 側は、AC(交流)電圧が、そのまま使われることがほとんどです。
許容電圧と、許容電流は、本体にも書かれています。

SSR1_20090301153641.jpg

どこの何に使われていたSSRかわからないのですが、
INPUT 側には、4-15V DC 、 OUTPUT (LOAD) 側には、480V 18A と書かれています。
INPUTは、通常のリレーの場合の、コイル側への入力です。
この場合の、OUTPUTは、通常のリレーの、COM と NO の接点と同じようなものです。
厳密に言えば、リレーとは動作が違うため、同じと言うと語弊が出ますが、
簡単に考えるために、このように書いています。

リレー01

単極のリレーを使って、負荷(ヒーター)を片切りするには、
上記のように回路を組めばできます。
このように考えれば、SSR と リレー は回路上では、
同じような働きをしていることがわかります。

ここで簡単に、リレー(電磁継電器)と SSR の違いを考えてみましょう。
最も大きな違いは、動作する接点を持つか持たないかです。
リレー(電磁継電器)の場合は、負荷を動作するための
接点が、ON-OFF のたびに ついたり離れたりします。

《参考》
リレー(電磁継電器)

このため、リレー(電磁継電器)には接点寿命があります。
SSR の場合は、接点を使わずに、電気を流したり止めたりします。
そのため、理論的な接点寿命は ありません。
仮に、1分間に 10回 ON-OFF を繰り返すような回路を組んだ場合、
10万回が接点寿命のリレーを使った場合には、
100000÷10÷60≒167
約170時間で寿命がきてしまうことになりますが、
SSR を利用した場合には、接点寿命による寿命はありません。

次に、入力(INPUT)と出力(OUTPUT または LOAD)と、
コイルと接点に関して。
リレーの場合は、コイルへの入力は、一定の電源と電圧です。
例えば、DC 12V とか AC 100V とかで、
若干の許容量はありますが、基本は一定の入力でコイルに通電して、
電磁石の力で接点を動作させます。
SSR の場合は、INPUT に幅があります。
これは、有接点のリレーと違い接点を使わずに電気を移動しているため、
OUTPUTを制御することが可能なためです。

リレー01
この回路で、電源と書かれた部分に AC100V を流して、
負荷の部分を、1000Wのヒーターにした場合には、
コイルに適正な電気が流れて接点が閉じた場合には、
必ず、約10A の電流が流れます。

ssr01
この回路で、電源と書かれた部分に AC100Vを流して、
負荷の部分を、1000Wのヒーターにした場合には、
INPUTの、入力により出力を可変とする回路を組むことができます。
SSRの個々の特性によりますが、INPUT を DC 5Vにした時は、
3A、DC12~15Vにした時は、10A などです。

電力調整

入力電流と出力電流に関しては個々のSSRによります。
各メーカーのホームページなどで確認してみてください。

このように、SSRは接点の寿命がないこと、出力を可変にできるなど、
位相制御や、比例制御に特に有用なものとわかると思います。

次に、リレーの優位な点ですが、B接点、C接点付のものを
簡単に作れることが ひとつです。
SSRの場合は、その特性上、B接点を持つものはほとんどありません。
COM と NC に近いものが主流となります。
リレー(電磁継電器)の場合は、コイルと接点ですので、
COM NO NC の接点を簡単に作れますし、
それを使った回路の構築も比較的 簡単です。

次に、SSRは熱に弱いことを知っておきましょう。
本体に放熱板を持ったものもありますし、放熱板に、
シリコングリルを介して取り付けるものもありますが、
動作時に発熱があるため、放熱が悪くなると壊れてしまいます。

最後に、リレーもSSRも 定格以上の電流が流れると、
発熱や破壊される恐れがあります。



次に SSR を使った回路の修理時の診断方法です。
これは、リレーを使った回路でも、共通する項目が多くあります。

《参考》
テスター
基礎的電気回路

テスターや、回路に関しては、上記のページも確認してください。

ssr01
この回路において、負荷に電圧がかからない場合、
ヒーターが負荷の場合なら、ヒーターが発熱しない場合。

ヒーター良否判定

まずは、ヒーターの良否の判定から、回路の片側を切断すれば、
負荷の抵抗値が計測できるので、ヒーターの良否を確認します。
回路を電源から切断して、テスターを、Ωのレンジに合わせて、 測定すれば、ヒーターの良否は、わかります。
100V / 1000W のヒーターなら、オームの法則より、
約10Ωの抵抗値となっているはずです。
《参考》
電気負荷(ヒーター)の抵抗値

この値から大きく外れていなければ、ヒーターは正常です。
ヒーターから遠いところで計測して導通が出ない場合には、
途中の配線なども疑う必要があります。
導通が出ない場合には、ヒーター単体でも計測します。

インプット測定

ヒーターは正常な場合には、INPUT 側を確認します。
回路図や本体を確認して、INPUT の電圧測定です。
DC(直流)の場合が多いのですが、AC(交流)の場合もあります。
DCV か、ACV 電圧測定のレンジで計測します。
ヒーターが全く加熱していないのに、INPUT に電圧がかかっていない場合や、
定格の半分以下の低い電圧しかかかっていない場合には、
INPUTの基板側の出力部でも、再度 測定してみます。
途中の配線が悪い場合もあります。
ここでも出力が出ていない、または定格より低い値しか出ていない場合には、
基板以前の問題ということになります。
この場合には、基板に付随するセンサーや安全装置の確認、
基板自体の不良などを疑う必要があります。

ヒーター良否判定01
念のため、SSRを介さずに、ヒーターを接続して、電圧をかけてみます。
これで発熱しない場合には、これまでの測定に見落としがあった場合です。
発熱する場合には、クランプメーターで電流値も測定して、
約10A の値が出ることも確認しましょう。

Load測定

SSR の LOAD (OUTPUT) 側の測定は、負荷が交流(AC)の場合は、
図のように、クランプメーターを利用して電流を測定するのが簡単です。

LOAD DC計測
負荷が直流(DC)の場合や、交流だけどクランプメーターがない場合、
マルチテスターの電流測定モードで計測は可能です。
ただし、マルチテスターの電流測定は、交流、直流とも、
大きな電流値は測定できないものが ほとんどです。
テスターの許容量を越えた電流を測定すると、
テスターのヒューズが飛んだり、テスター自体が破壊される場合があります。
特に、アナログのテスターは、許容量を超えると、
壊れてしまうことが多いので注意してください。

《注意》
SSRは、接点を持たないため 抵抗測定で LOAD 側を計測しても、
LOAD 側に電圧がかかっていない場合には、導通が出ません。

間違った測定方法
SSR測定不可の例
テスターを、抵抗測定(Ω)に合わせて、INPUT側の入力を確認して、
上の絵の配線で、SSRを測定しても、良否の判定は不可能です。



『まとめ』

SSRの良否の判定は、INPUT の電圧と LOAD の電流を確認しましょう。
負荷に電流が流れ続ける場合にも、同様に INPUT の電圧を確認して、
LOAD 側の負荷への電流を確認すれば、SSRの良否の判定は可能です。

SSR が不良になった場合は、負荷への電流が流れ続けることも多くあります。



記事の作成にあたり、参考にさせていただきました。

パナソニック電工株式会社 様
オムロン電子部品情報サイト 様
株式会社 ジェルシステム 様


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この記事は、一般的な例に基づいて記述していますが、
個々の機械に関するものではありません。
記事の利用でいかなる不利益があっても、管理者は一切の責任を負いません。

テーマ : 業務用厨房
ジャンル : 就職・お仕事

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