電気とテスターの使い方 その12

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前回はブレッドボードを使って抵抗を並べて、合成抵抗についても簡単に見てみました。
電気の回路において、負荷は並列に接続されることが、ほとんどです。
例えば、単相100Vのヒーターを2本持つ機器の場合に、ヒーターを直列で接続することは、ほとんどありません。

teikousetuzoku.png

図1のaは、並列接続、bは直列接続です。
仮に、①と②が、100V300Wのヒーターだったとしましょう。
電力P(W)=電圧E(V)×電流I(A) ですので、300(W)÷100(V)=3(A)です。
単相100Vで、3Aの電流が流れるヒーターということになります。
電圧100(V)÷電流3(A)≒抵抗33(Ω)となります。

aの合成抵抗は、1/R=1/R1+1/R2 ですので、約16.5Ωです。
電圧100(V)÷抵抗16.5(Ω)≒電流6(A)、
電力は、100(V)×6(A)=600(W)です。

同じ容量の負荷のみが並列につながるだけなら、合成抵抗の計算は電流を先に足しておいて計算するほうが簡単かもしれません。300W+300W=600W ですので、600W÷100V=6A、100V÷6A≒16.7(Ω)です。
小数点以下の端数の処理で若干、違ってきます。


次に、b ですが、こちらは単純にR=R1+R2=33(Ω)+33(Ω)=66(Ω)です。
100(V)÷66(Ω)≒1.5(A) です。
電力は、100(V)×1.5(A)=150(W)となります。

直列と並列の接続では、出力が大きく違ってきます。
また、直列で接続している場合には、一本のヒーターが切れると、どちらも電気が切断される形になり全く加熱できなくなります。
bの場合には、抵抗①、抵抗②にそれぞれ50Vが印加される形になります。

ここから、ブレッドボードを使って実験してみます。

P1150670.jpg

P1150671.jpg

2本の抵抗を準備しました。
どちらも、約10Ωです。

P1150672.jpg

これを、4と10のラインで並列に接続します。
テスターの値は、合成抵抗です。
200Ωレンジで測定しています。約5Ωです。

1/10+1/10=1/R です。2/10=1/R ですから、R=5 です。


P1150673.jpg

次に電源の準備です。
1.5Vの単三乾電池2本直列に接続できる電池ケースを使って、ブレッドボードの電源ラインに電圧を印加します。

DC20Vレンジで、2.97と出ています。少し消耗しているようで電圧が低めとなっています。
乾電池の電圧は、周辺の気温によっても若干変わってきます。
電気にも、いろいろな要因が作用しています。

この抵抗に、電流がどの程度流れるか計測してみます。
この先は、本来の抵抗の使い方ではないので、抵抗が熱を持ちます。
測定に時間をかけると熱で抵抗値が大きくなって、流れる電流が低くなります。
必ず数秒程度で計測を終わらせましょう。
あまり、お勧めできる実験ではないので、やってみる人は自己責任でお願いします。

テスターの電流のレンジは、多くありますが、このテスターの場合でしたら、DC10Aを計測する場合には、テストリードを差し替える必要があります。

te001.jpg

te002.jpg


通常は、中央のCOMに、黒のテストリードを差します。
そして、赤のテストリードは、右の「V Ω mA」 のところに差して使うことがほとんどなのですが、DC10Aの計測の時に限っては、赤いテストリードを左の「10ADC」に差してやる必要があります。

こういう場合は、あらかじめ出そうな値を概算で計算できないと、時間がかかってしまいます。
電流(A)=電圧2.97(V)÷抵抗5(Ω)≒0.59A です。
このテスターの電流測定は、10Aの下は200mA です。
0.59A=590mA ですので、最も大きい 10A のところで計測する必要があります。

P1150677.jpg

電流の測定は、回路の中にテスターを割り込ませてやらないと測定できません。

+側は、ジャンパー線を使って4のラインに入れています。
そして、10のラインのa、b、c のどこかにテスターの赤いテストリードをさして、黒のテストリードを-の電源ラインに差せば回路に割り込ませたこととなります。

テストリードの赤は、テスターの左の穴に入っていることも確認しておいてください。
少し計算より低い値になりましたが、このあたりの電流値の計測は、このテスターにとって苦手なあたりかもしれません。
誤差の範囲ということにしておきましょう。


次に、抵抗を直列に接続した場合です。

P1150679.jpg

10Ω+10Ω=20Ω、3.97V÷20Ω≒0.19A です。
抵抗値は、19.7Ωと出ました。

P1150680.jpg

電流値は、10Aのレンジで測定して、0.13Aです。
低めに出ていますが、このテスターでは難しいかもしれません。1000円ちょっとで買ったテスターですし。

P1150685.jpg

ぎりぎりですが、200mAのところでも計測できる範囲なので、200mA のレンジで測定すると、さらに電流値が低いことになりました。


番外編

今回、測定したあたりの値は、ちょっとした測定方法の違いや、テストリードの具合などでも誤差が出てしまいます。
1000円あまりのテスターで測定した値だけでは、信頼度がわからないので、ちょっと値のはるテスターでも測定してみます。
1000円ちょっとの、「MASTECH MAS830L」 対するは、10000円では買えない「日置 3256-50」です。


P1150686.jpg

まずは、直列に並んだ抵抗体の抵抗値。
どちらも、ほとんど同じ値と言えるでしょう。


P1150687.jpg

次は、電源の電圧です。
これも、ほとんど同じ値で測定されています。
0.01Vの単位は、ほとんど影響しないと思われます。


P1150688.jpg

次は、Aのレンジで電流値を測定。
2.96(V)÷19.6(Ω)≒0.151(A)。
さすが、10,000円では買えないテスターです。
ほとんど、ぴったりの数字を出してきました。


P1150690.jpg

最後に、mAで計測。
若干、計測値が下がってしまいました。


おそらく、少しの時間でも抵抗が熱を持つと値が変わるのでしょう。

2台以上のテスターを持っている場合は、それぞれの計測値を比べてみれば、大きく狂っている場合にはわかります。
また、テスターが1台の場合は、決まった値のものを時々計測してみて、出てくる値が大きくずれていないかどうか確認したほうがいいでしょう。
単相100Vのコンセントなら、普通に使っているものなら、100~105V程度です。
新品の乾電池なら、1.5V程度。エネループや、エボルタは、少し低めの1.2~1.3V程度だったと思います。
テスターの計測値も、時々確認しておかないと、少しずつ狂っている場合があります。



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